第139号コラム「データ分析を使った不正発見手法」

第139号コラム:丸山 満彦 監事(デロイト トーマツ リスクサービス株式会社 パートナー、公認会計士、公認情報システム監査人)
題:「データ分析を使った不正発見手法」

 内部統制には予防的統制と発見的統制があるが、今回は発見的統制に関する話題である。発見的統制は、リスクが発現しているかどうかを記録(ログ)を検査して発見し、発現したリスクの影響を最低限にするための対策である。一般には予防的対策でリスクの発現そのものを抑えるほうが効果的であるが、費用対効果の面で予防的対策よりも発見的対策のほうが効率的な場合もある。このような次善の策としての発見的対策というのは、あらかじめ想定されるリスクが発現していないかどうかを発見するということになる。たとえば、「通常時には深夜0時から朝の6時にサーバに管理者権限でアクセスすることはないが、緊急時にはそのような場合もありえる」という場合には、「通常時においては深夜0時から朝の6時にはあらかじめ管理者権限を利用できないように権限を設定し、予防的対策をし、緊急時には上長が承認した上で管理者権限を利用できるようにする。」という対策も理論的には考えられるが、運用上は難しいのは明白である。このような場合には、「深夜0時から朝の6時に管理者権限を利用した場合には、上長にアラートを上げ、事前の作業承認と一致していることを確認する」といった、発見的な統制が使われることになる。

第137回コラム「携帯電話フォレンジック:緊急通報における携帯電話の発信位置表示」

第137回コラム:舟橋 信 理事((株)NTTデータ・アイ 顧問、IDF理事)
題:「携帯電話フォレンジック:緊急通報における携帯電話の発信位置表示」

 携帯電話に関するデジタル・フォレンジック(以下「携帯電話フォレンジック」と言う。)と言えば、携帯電話内部に蓄積されている電子証拠を解析することを思い浮かべますが、携帯電話事業会社に蓄積されている通信記録や携帯電話の位置を特定することも携帯電話フォレンジックと言えます。

 本稿では、緊急通報、すなわち110番(警察)、118番(海上保安庁)又は119番(消防)を発呼した携帯電話の位置特定について、筆者も深く関わって参りましたので、日米におけるこれまでの経緯について述べておきたいと思います。

 なお、上記で「携帯電話フォレンジック」と表現しておりますが、iPhoneやiPad等の携帯端末機器やWi-Fiなどの普及を考慮すると、「モバイルフォレンジック」と総称すべきかと思います。

 1996年6月12日、米国連邦通信委員会(FCC)は、911通報、すなわち米国の緊急通報機能の強化について、次の2段階で実施することを決定しました。

第135回コラム「第7回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

第135回コラム:丸谷 俊博 理事・事務局長 (株式会社フォーカスシステムズ 新規事業推進室 室長)
題:「第7回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

週明けの12月13日(月)、14日(火)の二日間、第7回目となるデジタル・フォレンジック・コミュニティ2010が開催されます。IDFも設立後7年目となり、“デジタル・フォレンジック”という言葉もお陰様にて情報セキュリティ関連用語として定着し、その考え方や手法も普及が広まって参りました。IDF会員各位の活動へのご参加、ご支援にこの場を借りまして御礼申し上げます。

第7期のIDF活動は、「技術」分科会(3回開催済み)、「法務・監査」分科会(3回開催済み)、「医療」分科会(2回開催済み)活動の独自活動の他に情報ネットワーク法学会と連携したIDF主催講演会(9/18)及び共催講演会(11/11)等他団体と連携し、また「技術」と「法務・監査」が同じ場にて意見交換や討議を行う動きが出て来ております。※「医療」分科会は、日本医療情報学会との共同企画として開催しておりますが医療関係者へのデジタル・フォレンジックの紹介・普及が現段階では主となります。