コラム第929号:「AIが変化させるアメリカの裁判 - 近時の証拠法判例と実務」
第929号コラム:櫻庭 信之 理事(第一東京弁護士会 弁護士)
題:AIが変化させるアメリカの裁判 - 近時の証拠法判例と実務
実用的な生成AIがコンシューマ向けにリリースされると同時に、米国弁護士の間にAIが急速に普及しました。訴訟先進国である米国の法曹実務は今やAIを必須のツールとしており、AIを使った判決予測や各裁判官の判断傾向(人間としての行動パターンなど)を提供するリーガルテックサービスもすでに始まっています。アメリカの現状を象徴するものとして、昨(2025)年のワシントンDC・コロンビア特別区控訴裁判所の判決があります。判決の中でディール裁判官がChatGPTを使ったリサーチに基づいて反対意見を述べたのに対し、多数意見のハワード裁判官は、「私は同僚がAIを使ったことを非難するつもりはありません。」と前置きしつつ次のように述べました。
