第71号コラム「第6回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

第71号コラム:丸谷 俊博(IDF理事・事務局長)
題:「第6回デジタル・フォレンジック・コミュニティ開催に向けて」

今期(第6期)のIDF活動も年度計画に示しております各分科会やワーキング等の諸活動が役員及び会員のご協力、ご支援のもとに逐次実施されておりますことを嬉しく思っております。どうも有り難う御座います。

今年のデジタル・フォレンジック・コミュニティ2009は、「事故対応社会におけるデジタル・フォレンジック ― それでも起こる情報漏洩に備える ―」をテーマとして12月14日(月)、15日(火)の二日間、開催されます。丁度、このメルマガ発信後に開催情報を公開し、参加受付等を開始する予定です。そちもご覧下さい。

情報セキュリティ政策の推進と啓発により、官民での各種対策や情報セキュリティ関連教育や管理手法は、逐次普及・浸透し、職員等のリテラシーも向上して参りましたが、意図的なハッキング等による情報窃盗・窃視だけでなく、内部統制や監査上も、また各種のシステム的にも人的にも管理・監視されているはずの組織・企業からの情報漏洩事故等は、引き続き発生し続けています。

第68号コラム「韓国サイバー攻撃対応に見るフォレンジック」

第68号コラム:名和 利男 氏 (株式会社サイバーディフェンス研究所)
題:「韓国サイバー攻撃対応に見るフォレンジック」

2009年7月上旬、韓国において大規模なサイバー攻撃が発生しました。各所で大きな話題となりましたが、日本国内に、この攻撃の全体像を説明するような情報が少なく、そこから得られたことなどが、今後に活かされないのではないかと危惧しています。

そこで、今回の私のコラムでは、この攻撃の全体像と、そこから得られたことをご紹介するとともに、デジタル・フォレンジックがどのような関わりを持つのかをお伝えしたいと思います。

先月(7月)7日の深夜、韓国の複数のレスポンスチーム(*1)から電話とメールが届きました。その内容は「日本国内の主要なサイトにDDoS攻撃は発生していないか?」というものでした。それから5日間程、複数の国や民間のレスポンスチームとともに、入手できた検体(*2)及びその解析レポート、過去の大規模サイバー攻撃対応に関する検証データの共有をなどをしつつ、実態の解明や取るべき対応の支援活動を実施しました。

その支援活動の中で、今回の韓国におけるサイバー攻撃が、次の3つの大きな特徴を持つことを見出しました。それぞれをご紹介したいと思います。

・DDoS攻撃
・大量メール送信
・データ破壊

第67号コラム「プライバシー情報保護に関する一考察」

第67号コラム:澤田 忍 氏 (株式会社 NTTデータ)
題:「プライバシー情報保護に関する一考察」

■イギリスの監視カメラ

最近イギリスに行く機会があり、その品格のある街並みに感銘を受けつつ、設置されている監視カメラが少し気になった。ロンドン名物の赤い2階建てバスのカメラを見たときは、はじめは顧客サービス用途かと思ったが、90年代から様々な場所で監視カメラが設置され、犯罪防止に役立てられていることを思い出した。

現在イギリスでは、数百台もの監視カメラが、地下鉄などの公共交通機関を始め、街路店舗など至るところに設置されている。監視カメラはCCTV(Closed Circuit Camera)と呼ばれ、空港において人の動きを分析するCCTVや、反社会的な行動を行う人に注意をするスピーカー付きのCCTVもあるとのことである。

監視カメラの設置により、様々な犯罪において(2005年7月7日のロンドン地下鉄・バスのテロの事件など)実行犯の迅速な検挙につながっているそうだ。増加する犯罪を防止するために必要不可欠になっているのだろう。監視カメラは犯罪が起きたときの状況証拠とするために利用されるが、犯罪抑止効果や、見守られている安心感を与える効果も挙げられるだろう。

とはいえ、個人の私生活が監視されている感覚は否めない。監視員自体の監視や、監視カメラに写る画像データの管理方法についても注意を要する。
ただし、イギリスでは「1998 データ保護法(Data Protection Act 1998)」により、個人情報を扱う際の8つのデータ保護原則が明らかにされており、監視カメラシステムの適正な運用にも寄与している。