第15号コラム「グローバル化に対応したデジタル・フォレンジック」

第15号コラム:守本 正宏 理事(株式会社UBIC 代表取締役社長)
題:「グローバル化に対応したデジタル・フォレンジック」

会員企業である株式会社UBICは2007年の12月に米国子会社UBIC North America, Inc.を設立いたしました。私は米国子会社のCEOとして現在は2-3ヶ月に一度は米国に出張し、ワシントンDC、ニューヨーク、シカゴ、ボストン、サンフランシスコ、ロサンゼルス等にある米国法律事務所を訪問し、日本企業関連の訴訟の打ち合わせを行っています。地球の反対側のオフィスで日本人は我々だけという状態で外国人弁護士と米国のディスカバリ技術者とが日本企業の訴訟に関しての打ち合わせを進めていくのです。不思議な感覚になります。

そういう状況において最近私はデジタル・フォレンジックのことを考えるとき、IT社会、法的対応能力などに加えてグローバル化が非常に重要なキーワードであると思うようになってきました。

グローバル化という言葉の意味を理解するには“国際化”という言葉と比較したほうがいいようです。“国際化”とは国境が依然と存在しているという状況のなかでの主権国家間のつながりの中に生まれる概念だそうです。それに比較してグローバル化は世界を一つのシステムとすることから出てくる概念になるそうです。言い換えれば世界の単一化、地球規模化などとなるのでしょう。このように二つの言葉を比較するとグローバル化の概念が私なりによく理解できるようになりました。

第13号コラム「情報社会のDADAイズムとデジタルフォレンジックの役割 ― 社会的標本化定理は確立できるか ― 」

第13号コラム:辻井 重男 会長(情報セキュリティ大学院大学 学長)
題:「情報社会のDADAイズムとデジタルフォレンジックの役割  ――― 社会的標本化定理は確立できるか ――― 」

 

皆様、お分かりのように、音声や映像、地震波など人間や自然が発する信号形態は、殆どがアナログです。アナログとは、時間軸上も振幅軸上も連続値をとることを言います。これらのアナログ信号をデジタル信号、即ち、時間軸上も振幅軸上も離散値に変換して、処理・編集、検索、加工、伝送などを柔軟に行う技術、つまりデジタル技術が現在のIT社会を支えています。

 

正確なことは省きますが、アナログ信号をデジタル化することによって、情報が失われることはなく、時間軸上の離散値(但し、無限の過去から永劫の未来までの全ての値)から、任意の時刻の振幅値が、正確に再現できることが、1948年、染谷 勲(当時、電電公社通信研究所)と情報理論の創始者シャノンによって、同時に証明されました。これを標本化定理と言います。情報社会の技術的な意味での基礎をなす数学的定理です(未来永劫と言うわけには行きませんので、技術的には、厳密には適用していませんが)。