第221号コラム「アノニマス・アナリティクスとアノニマス」
第221号コラム:松本 隆 理事(ネットエージェント株式会社 フォレンジックエバンジェリスト)
題:「アノニマス・アナリティクスとアノニマス」
アノニマス・アナリティクス(以下AA)。あまり聞き慣れない言葉かもしれないが、AAとは“あの”霞ヶ浦のサイトをハッキングしたことで話題になったアノニマスが手掛ける合法的なInvestigative Journalism(調査報道)である。
AAのメンバーには、様々な国や地域から、コンピュータやデジタル・フォレンジックの専門家、会計士、弁護士など各分野の専門家が参加していると言われている。
AAはウィキリークスと同様に、告発者の匿名性を担保した形で内部告発を受け付ける。告発者へのインタビューやフォレンジックの技術を用いて、情報の信頼性やデータの改ざんの有無などを入念にチェックした上で、広く世間に公開するスタイルを採用している。
ただしウィキリークスとの違いは情報の公開方法だ。ウィキリークスが入手した生のデータを無編集で公開することにこだわるのに対し、AAは独自の調査結果を加えて編集した報告書を、可読性の高い英語のPDFファイルとして公開する。
彼らには、「ウィキリークスのように生のデータを単に公開するやりかたでは、せっかくの価値ある情報が民衆に正しく伝わらない。論点を整理し、わかりやすく情報を付け加え、広く理解してもらえる報告書として公開すべき」というポリシーがある。この点が、AAが自らを調査報道であると主張するゆえんだ。
