第132号コラム「グローバルな企業戦略におけるデジタル・フォレンジックの役割について」

第132号コラム:守本 正宏 理事(株式会社UBIC 代表取締役社長、IDF理事)
題:「グローバルな企業戦略におけるデジタル・フォレンジックの役割について」

サブプライムローン問題に端を発する世界同時不況は一旦終息したかのように見えましたが、ギリシャ問題がクローズアップされるや否や再び世界経済は先行き不安定な状況になりました。ギリシャ問題は金融システムの問題ではなく国家規模の赤字問題であるため、一時的に処置をしても根本の原因を治療できない限り、赤字が再生されるという問題です。現在は、先行き懸念が少し後退しているとはいえ、根本の治療には非常に長い時間と厳しい努力が要されるものであり、また同様の問題はスペインでも発生し、その後、各国の通貨安合戦なども始まり、今後どのような影響を世界経済に及ぼすかは予断を許さない状況だといえます。

経済が低迷しているような中でも、世界に進出している企業にはさまざまな深刻な法的問題に直面しています。たとえば、トヨタ自動車をめぐる「意図しない急加速」の問題や、メキシコ湾原油流出事故、日本の製造メーカー数社に対する価格カルテルの疑義、あるいは世界的企業同士の合併に対する競争法対応などです。

第128号コラム「社会保障と、責任というもの」

第128号コラム:中安 一幸 氏(厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室主査、東北大学大学院医学系研究科客員准教授、IDF「医療」分科会主査)
題:「社会保障と、責任というもの」

 ILO(国際労働機関)は「社会保障への道(1942年)」で『社会保障の理念は、窮乏のおそれからのがれたいという人間の深い願望から生まれている。この理念を実現するためには、不安の原因をできるだけ除去しなければならない。各個人の努力だけで、そうした不安に対して十分な保護が得られないならば、社会による保障が必要である。社会の成員がさらされている一定の危険に対して適当な組織によって国民に提供される保障が社会保障である。また、社会保障の給付や扶助は、合理的な最低生活を維持するに必要な質と量をそなえなければならないが、同時に、それが慈恵的なものではなく、権利として請求できるものであることが大切である。』と述べた。

 日本国憲法(1946年(昭和21年)11月3日公布)第25条は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』『国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障、及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。』としており、ここでも権利という言葉が述べられる。